個展【透明ですこし眩しい】2022.11.26~2022.12.04 @omotesando atelier



DM,ブックデザイン:樋口裕馬 寄稿:水島七恵『見えるものと見えないもの。あいだに実在する神秘』 印刷:八紘美術























































山梨県にあるギャラリーへ向かう途中、調布ICからしばらくの間 付かず離れずの距離で走る小さな青い車があった。 タイムズカーシェアのマークがついるレンタカーで、何度か抜いたり抜かれたりしていた。 運転手は黒くて長い髪のハッとするような美しい女性だった。 僕は談合坂SAで昼食に中華そばを食べた。 雨が降った次の日のよく晴れた平日で、高速道路は気持ちよくすいていたのだけれど、 昼食を食べ終えてスマホでナビを設定し直したところ、先程までは無かった渋滞が発生していた。 しばらく走ってから車は行列に並び、30分くらいの渋滞をゆっくりと進み、 ようやく渋滞の先頭に辿り着いたらそこには緊急車両が何台かと、事故をした車が3台転がっていた。 一番前の一番酷い潰れ方をしている車はタイムズカーシェアの青い小さな車だった。

僕がギャラリーに着くと、白い看板は素敵な木漏れ日を受けて必要以上に光っていて、 多分昨日の雨で出来た水たまりは青い空と大きな木を写して揺れていた。 虫や草が生き生きとしていて、窓ガラスに「HOPE」と書いてあった。 ギャラリーの二匹の犬、一匹は小さな花畑の中で、もう一匹は鹿の骨の隣で寝ていた。 ギャラリーのオーナーが、「ここは天国のようなものなのよね」と言った。 青い車の女の人はどこに向かってたのだろう。 犬たちや虫や植物や水たまりは、本当に綺麗だった。 それぞれの行き先は誰が決めて誰が選ぶのだろうか。

僕の車の駐車場には、勝手に「お墓」と呼んでいる、壁に生えたハツユキカズラがあって、 いつ見ても少しずつ違う。元気があったり無かったり、形がずれていたりする。 風で揺れていたり水に濡れていたり、黄色く光っていたりする。 振り向くと空は夕暮れで、雲に隙間が出来ていて光が真っ直ぐに降りている。 駐車場から家までの道、視界の端に蝶々が現れてすぐ消えて、 部屋に戻るとカーテンそのものが光っている。 僕はそれらの些細で啓示的な出来事に気がついたり気がつかなかったりして、 ありえないとされていて本当はあるのかもしれない事を、何度も考えている。 2022.11.26 山本恭平





【ROSY TIMES】in event of "June Juwar"



06,07,2013 @unbezahlBAR , Berlin


another photographer : mari hiratsuka , 【I miss you Tokyo!】